電話は、私たちの日常生活のなかには、欠かせないものです。しかし、相手の姿や表情が見えないだけに、その応対(おうたい)いかんで会社(電話する人)のイメージが決まるといってもいいでしょう。「見えない対応」だからこそ話し方や言葉づかいなどの細かい点に注意し、要領よく話すこと、はっきりした声で話すことが大切です。電話をする頃合いなどにも十分配慮(はいりょ)しなければなりません。
また、現在では携帯電話の普及により、非常に便利になった反面、さまざまな弊害(へいがい)が出てきています。正確な伝達ができるよう正しい電話の受け方?かけ方をマスターしましょう。
第一節ビジネス電話のマナー
1. 電話口の言葉は正確に、明快に、丁寧に、
電話が普通の会話と違うのは、お互いに顔が見えないということです。会話なら、顔の表情や体のしぐさが、相手に感情や意思を伝える手助(てだす)けをしてくれますが、電話は声だけで正確に用件を伝えなければなりません。電話を受けたら、発音をはっきりと、語尾を明瞭に、分かりやすく聞き取りやすい言葉遣いで話して下さい。?はあ?、?まあ?などと、はっきりしない物言いではなく、明るいハキハキとした調子で話しましょう。あまり早口で喋(しゃべ)ると、聞き違いの原因になるので気をつけます。つまり言葉の正確さ、明確さと共に、言葉のニュアンスにも十分な注意を払わなければなりません。
挨拶は手短に。先方の用件はしっかりメモを取るこ
と。その際特に気をつけなければならないのは、どこ
の会社の誰なのかをきちんと確認することです。いつ、
どこ、誰、なに、なぜ、どのように、を確かめます。
特に、名前の聞き間違いは致命傷(ちめいしょう)になるので気をつけ
ます。「○○会社の○○様でいらっしゃいますね。」と
復唱して間違いを防ぎます。
メモも単に、「鈴木さんから電話がありました。」だ
けではどこの鈴木さんか分からず、こちらから連絡の
とりようがないということもおこります。
2.伝言(でんごん)を受ける時は必ずメモを取る
不在の相手に伝言を頼まれた場合は、必ずメモを取
ります。内容を要約(ようやく)して復唱します。特に、?だれか
ら??だれに??日時??場所??何を??どうする?を箇条(かじょう)書
きにし、電話を受けた時刻と受け手の名前を書(か)き添(そ)え
ます。日にち、金額などの数字や、会社名、人名など
の固有名詞は、間違いのないよう繰り返して確認しま
す。先方に折り返し電話を入れる必要がある時は、念
のため相手の電話番号を尋ねておくことも大切です。
メモには電話を受けた時刻と、受信者の名前をいれて
おくことも常識です。もうひとつつけ加(くわ)えるなら、会
話に余分(よぶん)な要素を加えないということでしょう。
3. 電話のベルが鳴ったらすぐ出る
それが交換台(こうかんだい)でもデスクの上の直通(ちょくつう)電話でも、電話のベルが鳴ったら待たせずにすぐ出る、ここから電話の応対が始まります。ビジネスでは、ベルが鳴り始めてから三回以内に出るのがルールです。長くお待たせしたら、「大変お待たせ致しました。」と言って出るように心がけましょう。
4. 電話の受け方のポイント
① モシモシの追放(ついほう)、電話がかかってきたら、すぐ出ます。それからこちらの名前を言いましょう。モシモシ問答はやめましょう。それは意味のない声と時間のムダづかいであり、大きな見地(けんち)からいえば、電話線の無意義な占領(せんりょう)であるからです。
② 会社名·部署名(ぶしょめい)を名乗る
<直通(ちょくつう)の場合> 「はい、○○(会社名)でございます。」
<内線の場合> 「はい、○○課でございます。」「はい、○○(自分の氏名)でございます。」
③ 相手を確認する=相手が名乗らない時は、「失礼ですが、どちら様でいらっしゃいますか。」
④ 簡単な挨拶をする=「いつもお世話になっております。」「いつもありがとうございます。」
⑤ 用件を必ず正確に聞きメモを取る=いつ、どこ、誰、なに、なぜ、どのように、正確に用件を聞き、メモを取ります。電話での打ち合わせは、ファックスや文面と違って、あくまで口頭での約束です。聞いた時は覚えていても、別の仕事をしているうちに、忘れてしまうこともないとは限りません。分からないことがあったら積極的に尋ねます。
⑥ 用件を復唱する=メモした内容を復唱します。会社名、名前、数字、日時、数量、相手の電話番号など。
⑦ 最後にあいさつをする=「よろしくお願い致します。」「お待ち致しております。」「失礼致します。」など、内容に応じた挨拶をします。
⑧ よく聞こえない時は、?電話の調子が悪いせいでしょうか、聞きとりにくいので、もう少しゆっくり?とか、?ちょっとお電話が遠いようですが……?と婉曲(えんきょく)に言います。?聞き取りにくいのですが?とか?もっと大きい声でお願いします。?などという直接的な表現は、相手の話し方を非難しているように受け取られかねませんから避けましょう。また、相手の声が高すぎて、聞き取りにくいこともありますから、その場合は、受話器を少し耳から離すといいようです。
⑨ 電話は乱暴(らんぼう)に切らない。いくらうまく電話の対応ができても、最後にガチャンと乱暴に切ってはすべてが台無(だいな)しです。自分で思う以上に、耳元で受話器を勢いよく置かれる音は不愉快です。
また、電話は、かけた人から切る、というのがルールです。もし電話の相手があなたより目上の場合は、相手が先に電話を切るのを待つべきです。
5. 電話のかけ方のポイント
① 複雑な内容を伝える準備
電話では言葉のみが伝達手段です。ですから、込み入った内容の話をしたい時、図や身振りが使えず、あなたの言いたいことを伝えにくい場合もあります。複雑な内容を伝える場合は、電話をかける前に、参考資料をファックスやメールで送信しておいてから、電話をかけて打ち合わせに入ることをお勧めします。
② まず名乗る
相手が電話にでましたら、?モシモシ?を言わないで、自分の氏名をすぐに言います。例えば、相手が?はい○○社です?と出て、相手の会社名を確認したら?○○社の○○です。いつもお世話になっております。○○課の○○様はおいででしょうか?と呼び出しましょう。
また、初めて電話をかける相手に対しては?○○のご担当は○○様でよろしかったでしょうか。?や?○○の件でお電話を差し上げたのですが、ご担当者の方をお願い致します。?と担当者の名前を確認する必要があります。
?毎度どうも。○○です。?とくだけた言い方をする人がいますが、よほど親しくない限り避けたほうがよいと思われます。
上司に代わってあなたが電話をかける場合もあります。その際は、相手が出てから?恐(おそ)れ入(い)りますが、この電話を私ども○○におつなぎしてよろしいでしょうか。?と、上司が相手に用件がある旨を伝えてから、あなたの上司に電話をつなぎましょう。
③ 相手が不在の場合
相手が不在の場合は、その用件によって、伝言(でんごん)を頼む、もう一度こちらからかけ直す、折り返しかけてもらうなど、状況によって使い分けましょう。
通常(つうじょう)は、?お戻りのころ、お電話させていただきます。何時ごろ戻られますでしょうか。?と時間を聞いてから、改(あらた)めてかけ直します。簡単な用件の場合なら、伝言を頼んでおいてもかまいません。もちろん、一言?おことづけお願いしてよろしいでしょうか。?と許可を得てからお願いします。複雑な用件や、応対した人が忙しそうで、きちんと用件を伝えてくれるかどうか不安が残る時は、?ただいまからファックスをお送り致しますので、○○様にお渡しいただけますか。?と告げて、文書を送っておくのも手です。
至急(しきゅう)の用件や、あなたからのクレームの場合は?お手数ですが、○○社の○○まで、お電話いただけるようお伝え願います。?とお願いします。いずれの場合も、電話を受けた人の名前はしっかりとメモしておきましょう。
相手から折り返しの電話がなく、再度かけ直すときには、まず?先ほどお電話をした○○です。たびたびご連絡を差し上げて恐縮(きょうしゅく)ですが、?と断りましょう。
④ 電話の受け方?かけ方の例
ベルが鳴ったらすぐ出て名乗ります。受けた側?はい、○○でございます。?相手を確認したら自分の氏名を名乗り、取り次ぎを依頼します、かけた側?○○と申します。恐れ入りますが△△さんをお願いします。?
相手の名前を確かめてから取り次ぐ受けた側?○○様(さん)でございますね。少しお待ちください。?本人に代わったことを告(つ)げ、挨拶をします。受けた側?お電話代わりました。こんにちは。?
挨拶をして、用件を話します。かけた側?こんにちは。実は○○の件ですが……。?
誤解がないように要点を復唱します。受けた側?時間は○時ですね。?と間違いのないことを告(つ)げ、依頼やお礼の言葉を述べます。かけた側?はい、○○時からです。どうぞよろしくお願いします。?と終わりに挨拶を交(か)わして電話を切ります。かけた側?わざわざお電話をありがとうございました。ごめんください。?などと述べ、かけた方が先に受話器を置きます。
6. 取り次ぎ、不在時の応対
① 誰から誰への電話か確かめる
自宅でも会社でも、先方が名乗らなかったり遅い場合は、?どちら様ですか。?と確かめ、取り次ぎます。例えば、「△△(会社名)の、○○様でいらっしゃいますね。かしこまりました。少々お待ちください。」
②名指(なざ)し人に取り次ぐ
送話口を押さえ、「××さん、△△の○○様からお電話です。」と言って受話器を渡します。少し離れたところに名指し人がいる場合は「ただいまかわりますので、そのままお待ちください。」と言ってから保留(ほりゅう)ボタンを押し、名指し人に知らせます。名指し人が来客と応対中、または会議中の場合は、伝言メモで電話がかかっていることを連絡します。
③ 名指し人が他の電話に出ている場合
先にかかってきた電話を優先するのが礼儀ですから、?ただいま、○○はほかの電話に出ておりますので、少々お待ちください。?と言って待ってもらいます。相手が待っているのに名指し人の電話が長引くようなら、「電話が長引(ながび)きそうなので、終りましたら折り返しこちらからお電話を致しましょうか。」と相手の意向を伺います。折り返しこちらから電話をする場合は、必ず連絡先の電話番号を聞きましょう。相手の連絡先が分かっている場合は、「会社へお掛けすればよろしいでしょうか。」などと、確認します。
④ 名指しでなく用件で取り次ぎを依頼された時
「商品カタログの件で分かる方」とか、「経理の担当の方」などという指定の場合は、先方の名前を確認し、ふさわしい担当者に取り次ぐようにします。電話の“たらい回し”を防ぐためです。「宣伝の係に代わりますので、少々お待ちください。」などと言って、担当者と代わります。
⑤ 指名されても安易(あんい)に取り次いではいけない場合も
ある。
本人が在席していても断らなければならない場合があるので、「ただいま〇〇と代わります。」と言う前に都合を確かめます。特に職位の高い人への電話、また初めての方からの電話は、秘書(ひしょ)や代わりの人に出てもらうなどして、安易に取り次がないようにします。断る場合は、「せっかくですが、ただいま会議に出ておりまして。」「あいにく出張致しておりまして、本日中には戻って参りませんが…。」などと、丁寧に断ります。
⑥ 留守(るす)の場合
その時は、?外出しておりますが、○時には帰る予定です。差し支えなければご用件を伝えましょうか。?また、?帰りましたら、お電話させましょうか。?と聞いてみます。
帰ったら、その旨(むね)を伝えることを忘れないように。メモを机の上に置けば、なお確実でしょう。
7. 長い電話は避ける
長話をしている最中に、緊急(きんきゅう)の連絡があったり、他の人が何回も電話をかけ直しているかもしれません。最近では、通話中の電話に他の人の電話が割りこめるような機能をもつものが普及してきていますが、どこの会社でも備(そな)えているわけではありません。本来、電話は離れている人との連絡をスピードアップするためのものですから、通話は手短にすませ、長電話は避けるようにします。
第二節日常電話のマナー
日常電話をする時、その基本的なマナーはビジネス電話のマナーとよく似ていますが、気をつけなければならないこともあります。相手の家に電話をかける時、向こう側の事情をよく考えます。特に電話をかける時間帯に注意しなければなりません。
1、初めてかける電話、よい印象を与えるかけ方
まず相手の時間を考えるべきです。自分にとって空いている時間でも、相手がそうだとは必ずしもいえませんから、?今、お時間いただいてよろしいですか。??今、お話してもよろしいでしょうか。?などと尋ねることを習慣にしましょう。一方的に話し始めてしまうと、相手は、来客中でも煮物(にもの)の最中でも電話の前から離れられなくなってしまいます。かける側は、まず相手のことを考えて、都合をうかがってから用件を切り出します。そして切る時には?どうも失礼致しました、ごめんください。?と言って、二、三秒待って、相手が切った頃に受話器を置くといいでしょう。
2、相手をドキリとさせる深夜(しんや)、早朝(そうちょう)の電話
やむをえない火急(かきゅう)の場合を除いて、早朝や夜遅くや食事時には電話をかけません。相手との間柄(あいだがら)や用件、また、家の状況によっても違いますが、ごく普通の家庭では、朝八時前の電話は好ましくありませんし、夜は十時前後までが常識でしょう。しかし、相手が非常に夜更(よふ)かしの人、朝早く起きている人など、よく事情を知っている場合は例外です。それに、正午から一時頃、また、夕方の六時から八時頃の食事の時間は、急な用件以外の電話は避けることです。深夜や早朝には、よほどの緊急事態以外他人の家に電話しないという常識が定着しているからです。よほどのことがないかぎり、あるいは、その時刻に電話するように前もっていわれていないかぎり、深夜や早朝の電話はかけないでください。人の状況はそれぞれ違いますが、相手の生活時間を判断しながら掛けることは大事です。
今電話は、企業はもちろん、ほとんど全家庭にまで普及しています。そして、こちらからかけようと思えば、いつでもどこにでも誰にでもかけることが出来ます。先方がかけてもらいたくなくても、こちらから一方的にかけられます。それだけに、相手の都合や事情を考えて電話しなければならないのです。
3、仕事の電話を家庭にかけるのは?
仕事の電話を家庭にかけるのはなるべく避ける。家庭は仕事から解放されてくつろぐところ、仕事の疲れをいやす場です。そこに仕事がらみの電話がかかれば、いやおうなしに仕事に引き戻されてしまいます。
ただし、緊急事態が起きた時は別です。特に自分の所属する課長や部長などの責任にかかわる緊急事態が発生した時には、遠慮などはいりません。むしろ、かけなければ厳しく叱責(しっせき)されるでしょう。
4、間違い電話をかけた時
相手が出て?○○でございます。?と電話に出た途端(とたん)、間違い電話に気がついて、慌ててものも言わずにガチャンと切ってしまう人がいます。これでは相手に対して、非常に不愉快な思いをさせてしまいます。特に深夜の間違い電話は自分の不注意で迷惑をかけたのですから、必ず?失礼致しました。?というべきでしょう。
どうして間違ったのかなと思うのなら、?そちら様は○○番ですか。?と自分の掛けた番号を確かめてみることです。そうすればダイヤルのしそこないか、番号が始めから間違っているのか明らかになるでしょう。
5、間違い電話を受けた時
急いで電話に出てみると間違い電話だった、というような場合は腹が立つものです。しかし、相手も故意(こい)に間違い電話をかけているとはかぎりませんから、?違いますよ。?と言って、受話器をガチャンと置いてしまうのは避けたいものです。
こうした場合、?どちらへおかけですか、こちらは○○番です。?と答えると、相手にも、番号を押し間違えたのか、自分が見ている番号が違っているのかが分かります。
6、電話でよく使う用語
① 名乗る時
「はい、○○(会社名)でございます。」
「おはようございます。××商事、第一営業部でございます。」
「ありがとうございます。○○(商品名)の××製造所でございます。」
② 相手が名乗らない時
「失礼ですが、どちら様でいらっしゃいますか。」
③ 相手の声や会社名が聞き取りにくい時
「恐れ入りますが、もう一度おっしゃっていただけませんでしょうか。」
「恐れ入りますが、少々お電話が遠いようでございますが……。」
④ 名指し人が不在の時
「あいにく田中は、席を外しております。戻り次
第こちらから、お電話を差し上げましょうか。」、「た
だいま田中は外出しておりますが、○○時には戻る
予定でございます。お差し支えなければ、私がご用
件をうかがって申し伝えますが。」
⑤ 人から電話を引(ひ)き継(つ)ぐ時
?大変お待たせ致しました。お電話を代わりまし
た。私、営業課の中村でございます?
⑥ しばらく電話を中断する時
?調べて参りますので、少々お待ちくださいま
せ。?
?お待たせ致しました。ただいまお調べ致しまし
たところ……。?
⑦ 相手に伝言を依頼する時
?恐れ入ります、伝言をお願いできますか。?
⑧ 間違い電話がかかってきた時
?お間違いのようですが。?
?こちらは○○商事(または、132―45××)でございます。どちらへお掛けでいらっしゃいますか。?
第三節 携帯(けいたい)電話のマナー
直接本人と連絡できる携帯電話は、今やビジネスの必須(ひっす)アイテムです。いつでもどこでも連絡が取れるからこそ、社会的マナーは重要です。こちらが出先(でさき)の場合でも、できるだけ携帯電話は使わずに、公衆電話を使いましょう。騒(さわ)がしい場合からの場合は、自然と声が大きくなり、周りにも迷惑がかかりますし、電波状態が悪くて通話が途切(とぎ)れたり、相手に声が聞こえにくいことが多いからです。こちらから携帯電話にかける際も、相手の都合を考えて、まず?今お話しても大丈夫ですか。?と断りましょう。相手の都合が悪ければ、後からかけ直してもらう、などの配慮が必要です。これから挙げるポイントに注意しながら、携帯電話マナーを身に付けておきましょう。
1、訪問?来客?商談の時
基本的に勤務時間中は電源をオフにしておきます。
家族や友人からの連絡は留守番電話にメッセージを残してもらい、就業後などにチェックするようにしましょう。もちろん、勤務時間中の私用電話も禁止です。
大事な話の最中に、いきなり携帯電話が鳴り出した
ら、相手はあまり良い気持ちがしません。予期しない話の中断も、相手を不必要に待たせ、失礼です。大事な話に入る前には留守番電話機能の設定(せってい)を心がけましょう。
2、相手の携帯電話にかける
どうしても携帯電話からかける場合には、電波状態
の安定した静かな場所を選びます。掛ける相手周囲への配慮を忘れないでください。また、電話をとったものの、ゆっくりと話をしていられない状況は多々あります。用件を切り出す前に、?今お電話してよろしいですか。?と一言尋ねましょう。携帯電話の場合以外でも、電話を受ける人の気持ちになった心くばりが必要です。
3、大声でしないように
携帯電話は一般の電話よりもマイクの性能がいい
ので、周囲の騒音(そうおん)をカットしてくれます。騒音の中で、
相手の声が聞こえにくいと、話す方も大声になりがち
ですが、普通の声で充分です。また、夜道(よみち)では声は意
外とひびくものです。自分が騒音のもとにならないよ
う、声のトーンを控(ひか)えめにしましょう。
4、ビジネスの相手に個人の携帯番号を知らせてもいい場合
会社支給(しきゅう)の携帯電話以外は、教えないのが原則です。
会社によっては、社内の緊急用のために個人の携帯電
話の番号を控(ひか)えるという規定があるところもあります。その場合は会社規定に従います。
社外の人には自社社員の携帯番号を教えてはいけません。取引先(とりひきさき)などから“急ぎなので、○○さんの携帯番号を教えて、”などと言われたら、折り返しこちらから掛け直す旨(むね)を伝えて、いったん電話を切り、本人に直接電話をかけ直してもらうようにします。
5、歩く時
人ごみの中でかかってきた携帯電話を取る時、道の
真中でいきなり立ち止まっては、周りの迷惑になりま
す。通行中は、人の流れに逆(さか)らわず場所を移すか、人
ごみをさけて道端(みちばた)などの人の邪魔にならない所で話
をするようにしましょう。
6、運転中
車を運転中の携帯電話使用による交通事故が増え
ています。電話をとる一瞬や、会話そのものに気を取られると、非常に危険です。運転中は電源をきっておくか運転中であることをかけてきた相手に自動的に知らせる機能に切り替えておきましょう。どうしても必要な場合は、ハンズフリー装置を使用しましょう。
7、病院内?飛行機内
電子機器(きき)や医療機器を取り扱う病院内、飛行機の機
内などの使用を禁止されている区域(くいき)ではかならず電源を切りましょう。電源が入っていると、通話中でなくとも自動的に電波を出してしまうことがあり、電子機器が誤作動(ごさどう)を起こす可能性があるのです。
8、電車内?バス内
満員電車など、人と人が接近(せっきん)する場合では電源を切
っておきましょう。埋め込み型(かた)の心臓ペースメーカーを装着(そうちゃく)した人や、補聴器を使用している人がいた場合、その電子機器に影響を及ぼす可能性があります。
9、静かな場所で
レストランやホテルのロビー、図書館、劇場、美術
館などでは他の人の迷惑になります。バイブレーショ
ン機能を使用して呼び出し音を消しておくか、電源を
切っておきましょう。時と場所をわきまえ、周囲の迷
惑になるようなところでは携帯電話の使用に注意する気配(きくば)りがないと社会人として失格です。