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20120113 昔の名

来源:朝日新闻 作者:日语港 时间:2012-03-06 阅读:2783

 京都の忍(しのぶ)は神戸で渚(なぎさ)になり、横浜でひろみに戻る。小林旭さんの「昔の名前で出ています」は、ネオン川に漂う浮草の恋を歌って切ない。いくつもの名を経た女性にも、帰るべき古里のように、本名が一つある▼オウム真理教元幹部、平田信(まこと)容疑者(46)を匿(かくま)った斎藤明美(あけみ)容疑者(49)は、転居のたびに名を変えたという。ともに東北を転々、たどり着いた大阪でも2回引っ越した。生計を支えた女は、逃亡17年をいくつの名で生きたのか▼住み込みで働いた仙台の料亭では山口今日子、最近まで勤めた東大阪の整骨院では吉川祥子だった。子の字が気にかかる。前にも書いたが、女子の命名で「○○子」の独占を崩した先駆けこそ、「明美」なのだ▼明治安田生命によると、1957(昭和32)年に10傑に登場、65年に首位になった。斎藤容疑者が生まれたのはその間(あいだ)、「今風の名」として明美が輝いていた頃である。二つの偽名を「子」にしたのは、ある種の埋没願望にも思える▼出頭時の告白文にある。「きょう私は17年ぶりに本名を名乗りました。偽りの人生は終わりにします」。オウム事件の被害者や遺族には身勝手に映ろうが、改心に偽りなきを願う▼彼女は自首する前、福島県の実家に電話し、「明るく美しい」名をくれた両親にわびたそうだ。同じカルト集団に深入りした男を支えて連ねた、かりそめの日々。その果てに、「昔の名」に戻って警察署までついて行く。出来すぎにもみえる湿っぽさ、なんとも歌いようがない。

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