お客さまと接する時、バイト仲間や上司・先輩と接する時…。おかしな敬語で「マナーのない子」なんて思われたくないですよね。そこで、ここでは間違いやすい敬語をシーン別にチェック。また、よく使う敬語や、間違い敬語も合わせてチェックしてみて!。
>接客中の会話例
>先輩・上司との会話例
>よく使う敬語30
>バイトシーンで『まちがいやすい応対』あるあるベスト5
接客シーン
1
×)ご注文は和風パスタでよろしかったでしょうか?
○)ご注文は和風パスタでよろしいでしょうか?
お客さまの目の前で、今スグに確認したいことを「よろしかったでしょうか」と過去形にするのは間違い。
2
×)こちら、和風パスタになります。
○)こちら、和風パスタでございます。
「~になる」は変化を表す意味合いを含む表現。この場合、和風パスタが何かに変わるわけではないので、「です」「ございますが」と、ストレートに断定の尊敬語を使うのが正解。ほか、「~をお持ちしました」でもOK。
3
×)コーヒーのほうはいくつお持ちしましょうか。
○)コーヒーはいくつお持ちしましょうか。
「~のほう」は、意味合いをぼかして相手よりへりくだる表現。この場合はコーヒーに対してへりくだったり、意味合いをぼかす必要はないので、はっきりと「コーヒーはいくつ」と言うのが正解。
4
×)ニットの色はどれにいたしますか?
○)ニットの色はどちらになさいますか?
「いたす」はするの謙譲語。自分がへりくだる場合に使うものなので、お客さまに対して使うのはダメ。尊敬語の「なさる」を使うのが正しい表現。
5
×)サイズ違いもありますが、どうですか?
○)サイズ違いもございますが、いかがでしょうか?
お客さまへ伺う場合は「どうですか?」ではなく、「いかがですか?」と表現。より丁寧にたずねる印象になる。
6
×)1万円からお預かりします。
○)1万円をお預かりいたします。
金額に「○○円から」をつけるのも×。「○○円をお預かりします」が正しい表現。これはよくやりがちなので要注意
7
×)お名前様を頂戴できますか?
○)恐れ入りますがお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?
「お名前」に「様」をつけるのは、丁寧語がふたつ重なる“過剰敬語”となりNG。また、「頂戴する」は、「もらう」の謙譲語。「聞く」の謙譲語である「お伺いする」を使うのが正しい。また、お願いごとの前には「恐れ入りますが」と前置きをすると丁寧になる。
8
×)お客さま2名が参りました。ここにお座りになってください。
○)お客さま2名がお見えになりました。こちらへおかけくださいませ。
「参る」は「来る」の謙譲語、自分がへりくだって使う表現なので、お客さまには使えない。正しくは、尊敬語の「お見えになる」、または「ご来店です」を使って。また、椅子へ誘導したい時は「おかけになる」を使うとスムーズ。
9
お客さまから質問を受けて
×)バイトなのでわかりません。すみませんがちょっと待ってください。
○)ただ今確認して参ります。申し訳ございませんが少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか?
アルバイトかどうかはお客さまには無関係なので言う必要なし。また、この場合は「すぐに確認する」という意思を先にお客さまへ伝え、信頼感を得るのが大事。謙譲語を使って「確認して参ります」と言うのが正しい。また、お待たせする場合は、「待ってください」ではなく、「お待ちいただけますでしょうか」と相手に承諾を訪ねる表現で。
先輩・上司との会話
1
(バイトで先に仕事を終えた後)
×)先にあがります。この後、やっといていただけますか?
○)お先に失礼させていただきます。この後、よろしくお願いいたします。
先に「あがります」や「帰ります」は、子供っぽく聞こえてしまう。この場合は先輩よりもお先に「失礼させていただく」、というニュアンスを加えるべき。また、業務を引き継ぐ際は相手に失礼のないように、「よろしくお願いします」の表現を使って。
2
(シフト表を見て)
×)この日は予定がカブっててムリなんです。代わってもらえません?
○)あいにく予定が重なっていますので、代わっていただけるとありがたいのですが…。
「かぶる」、「ムリ」は典型的な学生言葉なのでお仕事のシーンではNG。「予定が重なっている」と表現して。また、「代わってほしい」と承諾を求めるときは、「~していただけるとありがたいのですが」と言うようにしよう。
3
(急に残業を頼まれて)
×)別にいいですよ。
○)問題ありません。
まず、「別に」という前置きが×。「いいですよ」も本当はダメなのだけど、仕方なく許可してあげた、というニュアンスで伝わってしまう。先輩に対してなら「問題ありません」と言えば角が立たない。ほかに「お任せください」もOK。
4
×)体調がすぐれないのでお休みさせていただきます。
○)体調がすぐれないため、お休みいたします。
一見、丁寧に聞こえるけど、実は「させていただきます」は自分の強い意志を表す言葉なので不適切。「お休みします」「お休みいたします」と使うのが正しい言い方。また、「ご迷惑をおかけしますが」とひと言添えるのも○。
5
(目上の人との会話の相づちで)
×)うんうん
○)はい、ええ
まず、目上の人に対して「うん」と相づちを打つのはNG。また、「うんうん」と繰り返すのもうわべだけの返事をしている印象になりがち。相づちは「はい」または「ええ」を使って。もちろん繰り返すのはNG。返事は1回に。
6
(目上の人にたいして)
×)なるほど、なるほど。
○)(うなずきながら)なるほど。
つい言ってしまいがちだけど、相づちは2回以上繰り返すと不自然な印象に。本当にわかってる?と疑われかねないので、使うなら1回。あまりにも乱用しすぎないこと。
7(先輩のアドバイスを聞いて)
×)とても参考になりました。
○)とても勉強になりました。
「参考になる」という言い方は、「参考程度に聞いておきましたよ」と受け取られてしまう。この場合は低姿勢な表現で、「勉強になります」と言うのが正しい。ただし、後輩へのアドバイスなどで「参考にしてね」とへりくだる表現はOK。
8
(先輩から手伝おうか?と言われて)
×)大丈夫です。
○)お気遣いありがとうございます。
「大丈夫です」と言うと、「間に合っています」「結構です」という意味合いを含んでしまう。相手に無愛想な印象を抱かれてしまいかねないので、この場合は「お気遣いありがとうございます」とするのが正解。
9
(食事などをおごってもらって)
×)あざーす
○)ありがとうございます
「あざーす」はチャラい印象で品位に欠ける。きちんとお礼を述べる場面で先輩に使うべきではない。また「さーせん」は「すみません」に、「ちわー」は「こんにちは」に正して、丁寧な印象を残して。
10
(まかないメニューの希望を聞かれて)
×)じゃあこれで。
○)こちらをいただきたいです。
「じゃあ」とつけると、気が進まないけどこれでいいか、と仕方なく選んだ印象に聞こえてしまう。また、「これでいいです」ではなく、「これがいいです」と変えるだけでも肯定的に聞こえて○。
基本形 | 尊敬語 | 謙譲語 | 丁寧語 |
---|---|---|---|
使用方法 | 目上の人に使う。相手を立てるときに使う。 | 自分をへりくだるときに使う。自分がへりくだることで、相手を立てる。 | 聞き手に対して丁寧に述べる言葉。 「です」「ます」「ございます」を付けて使う。相手・内容を問わない。 |
する | なさる、される | させていただく | いたします |
言う | おっしゃる、言われる | 申し上げる | 申し上げます |
行く | いらっしゃる、おいでになる | うかがう | 参ります |
来る | いらっしゃる、おいでになる、見える | 参る | 来ます |
知る | お知りになる、ご存じだ | 存じる、承知する | 知っています |
食べる | 召し上がる、おあがりになる | いただく、頂戴する | 食べます |
いる | いらっしゃる、おいでになる | おる | います |
見る | ご覧になる | 拝見する | 見ます |
聞く | お聞きになる | 拝聴する、うかがう | 聞きます |
座る | お掛けになる | お座りする | 座ります |
会う | お会いになる、会われる | お目にかかる | 会います |
伝える | お伝えになる | 申し伝える | 伝えます |
わかる | おわかりになる、ご理解いただく | かしこまる、承知する | わかりました |
読む | お読みになる | 拝読する | 読みます |
与える | くださる | いただく、頂戴する | あげます、差し上げます |
受け取る | お受け取りになる | 賜る、頂戴する、拝受する | 受けとります |
利用する | ご利用になる | 利用させていただく | 利用します |
思う | お思いになる、おぼし召す | 存じ上げる、拝察する | 思います |
買う | お買いになる、お求めになる | 買わせていただく | 買います |
考える | お考えになる、ご高察なさる | 考えておる、拝察する | 考えます |
待つ | お待ちになる、お待ちくださる | お待ちする | 待ちます |
帰る | お帰りになる、帰られる | おいとまする | 帰ります |
家 | 御宅(おんたく) | 拙宅(せったく) | – |
会社 | 貴社(きしゃ) 御社(おんしゃ) | 弊社(へいしゃ) | – |
店 | 貴店(きてん) | 弊店(へいてん) | – |
銀行 | 貴行(きこう) | 弊行(へいこう) | – |
学校 | 貴校(きこう) | 弊校(へいこう) | – |
新聞 | 貴紙(きし) | 弊紙(へいし)・小紙(しょうし) | – |
雑誌 | 貴誌(きし) | 弊誌(へいし)・小誌(しょうし) | – |
地位 | 貴職(きしょく) | 小職(しょうしょく) | – |
バイトシーンで『まちがいやすい応対』あるあるベスト5
× | ○ |
---|---|
どちら様でしょうか | お名前をお聞かせくださいませんでしょうか |
了解しました | 承知しました、かしこまりました |
しばらくお待ちください | 少々お待ちください |
山田にお伝えしておきます | 山田に申し伝えます |
ぜひこの機会にご入会してください | ぜひこの機会にご入会ください |
ご苦労様です | お疲れ様です |
よく使う敬語30
基本形 | 尊敬語 | 謙譲語 | 丁寧語 |
---|---|---|---|
使用方法 | 目上の人に使う。相手を立てるときに使う。 | 自分をへりくだるときに使う。自分がへりくだることで、相手を立てる。 | 聞き手に対して丁寧に述べる言葉。 「です」「ます」「ございます」を付けて使う。相手・内容を問わない。 |
する | なさる、される | させていただく | いたします |
言う | おっしゃる、言われる | 申し上げる | 申し上げます |
行く | いらっしゃる、おいでになる | うかがう | 参ります |
来る | いらっしゃる、おいでになる、見える | 参る | 来ます |
知る | お知りになる、ご存じだ | 存じる、承知する | 知っています |
食べる | 召し上がる、おあがりになる | いただく、頂戴する | 食べます |
いる | いらっしゃる、おいでになる | おる | います |
見る | ご覧になる | 拝見する | 見ます |
聞く | お聞きになる | 拝聴する、うかがう | 聞きます |
座る | お掛けになる | お座りする | 座ります |
会う | お会いになる、会われる | お目にかかる | 会います |
伝える | お伝えになる | 申し伝える | 伝えます |
わかる | おわかりになる、ご理解いただく | かしこまる、承知する | わかりました |
読む | お読みになる | 拝読する | 読みます |
与える | くださる | いただく、頂戴する | あげます、差し上げます |
受け取る | お受け取りになる | 賜る、頂戴する、拝受する | 受けとります |
利用する | ご利用になる | 利用させていただく | 利用します |
思う | お思いになる、おぼし召す | 存じ上げる、拝察する | 思います |
買う | お買いになる、お求めになる | 買わせていただく | 買います |
考える | お考えになる、ご高察なさる | 考えておる、拝察する | 考えます |
待つ | お待ちになる、お待ちくださる | お待ちする | 待ちます |
帰る | お帰りになる、帰られる | おいとまする | 帰ります |
家 | 御宅(おんたく) | 拙宅(せったく) | – |
会社 | 貴社(きしゃ) 御社(おんしゃ) | 弊社(へいしゃ) | – |
店 | 貴店(きてん) | 弊店(へいてん) | – |
銀行 | 貴行(きこう) | 弊行(へいこう) | – |
学校 | 貴校(きこう) | 弊校(へいこう) | – |
新聞 | 貴紙(きし) | 弊紙(へいし)・小紙(しょうし) | – |
雑誌 | 貴誌(きし) | 弊誌(へいし)・小誌(しょうし) | – |
地位 | 貴職(きしょく) | 小職(しょうしょく) | – |