首页 资料下载 天声人语 20120123 適応できた者が生き残る

20120123 適応できた者が生き残る

来源:朝日新闻 作者:日语港 时间:2012-03-08 阅读:2972

「泥と炎」と形容されたベトナムの戦場で、まず名をあげた日本人カメラマンは岡村昭彦だった。実は写真は素人で、通信社と契約して赴任したときフィルムの詰め方を支局長に聞いたという逸話を残す。だが活躍はめざましく、写真家の憧れだった米国のライフ誌を矢継ぎ早に飾った▼同誌は岡村を「ロバート・キャパを継ぐ戦争写真家」と絶賛した。本人いわく「フィルムの詰め方は知りませんでしたが、何にレンズを向けるべきかは知っていました」――デジタルカメラ全盛のいま、こんな伝説はもう生まれない▼米イーストマン・コダックの経営破綻(はたん)に、20世紀が遠ざかる思いの人は多かろう。その歴史はフィルムカメラの歴史でもあった。キャパも愛用していた。人類初の月面も記録した。あの黄色い箱のフィルムは、近代の栄光と悲惨をつぶさに目撃してきた▼音声付きの映画フィルムも開発した。アカデミー賞映画のほとんどは同社製で撮られたという。皮肉なことに、フィルムの栄光を忘れ得ない経営によって、デジタル時代から取り残されていった▼ホンダの創業者本田宗一郎が会社経営を「槍(やり)」にたとえていた。突くよりも引くスピードが大切だ、と。方向転換の決断の大切さとともに、ひとつの成功にいつまでも酔うなという教訓だろう▼おごれる者は久しからず。それを皮肉って、おごらずとても久しからず、とも言う。強い者が生き残るのではない。適応できた者が生き残る。茨(いばら)の道をどの企業も歩んでいる。

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